BG Rock翻訳第一弾。
需要があれば、第二弾はGerry ThompsonのRockに関する記事を翻訳する予定。
でも、モダンプレイヤーには需要が無さそうな気がする。
Obliterator Rock at Pro Tour Born of the Gods
By Reid Duke // 27 Feb, 2014
http://www.channelfireball.com/articles/obliterator-rock-at-pro-tour-born-of-the-gods/
僕のことをご存じの方も、そうでない方もいるだろうね。僕はReid Duke、長年プロツアーに参戦していて、そして長年マジックを愛して止まないプレイヤーだ。
僕がトーナメントでちょっとした成績を収めるようになったのは、2011年のMagic Online Championshipを制してからだね。その頃から僕はずっと、今のTeam CFB:The Pantheonのメンバーなんだ。
僕がこのサイトでこうして記事を書けるのは、ChannelFireballの担当者のおかげだと思っているし、そしてそれ以上に、僕の記事を読んでくれるプレイヤーのおかげだと思っているよ。
このサイトのライター達はみんな僕の友人でもあり、ライバルでもあり、師でもあるけど、そういった面々にこうして仲間入りする機会に恵まれたことに、とても興奮しているんだ。
さて、君たちが僕の同類だとしたら、こんな話よりも禁止改定後のモダンフォーマットについての記事に期待してこの記事を開いたんだろうね。
悪いニュースから。モダンには最高のデッキだと言い切れるデッキは存在しない。次に良いニュースを。自分にとって一番使い易いデッキを選んで、個々のカードやサイドボーディング、様々なマッチアップについて学習に励むなら、成功のチャンスを掴むことができる!
では、Pro Tour Born of the Godsで僕が自分で使うのに一番適しているだろうと考えたデッキを紹介しよう。
Obliterator Rock(42位)
4xTreetop Village
1xForest
4xSwamp
2xOvergrown Tomb
4xVerdant Catacombs
2xMarsh Flats
4xTwilight Mire
2xUrborg, Tomb of Yawgmoth
1xWoodland Cemetery
4xTarmogoyf
4xDark Confidant
4xScavenging Ooze
2xKitchen Finks
4xPhyrexian Obliterator
4xInquisition of Kozilek
2xThoughtseize
2xSlaughter Pact
3xAbrupt Decay
1xVictim of Night
2xMaelstrom Pulse
4xLiliana of the Veil
-----Sideboard-----
3xCreeping Corrosion
3xFulminator Mage
2xThoughtseize
2xGrafdigger’s Cage
2xDeathmark
1xKitchen Finks
1xThrun, the Last Troll
1xSword of Light and Shadow
良くあることだけど、The Pantheonのメンバーはこの大会で使うデッキを1つに絞り切れなかった。(これは、モダンというフォーマットの性質によるもので、The Pantheonというチームの性質には関係ないと思っているよ)
Obliterator Rockを使ったのは僕とMatt Costaだけだったけど、このデッキは十分なパフォーマンスを発揮してくれた。構築でMattは8-2、僕は7-2から最終ラウンドをIDした。
このデッキの良いところは、必要十分な枚数の手札破壊スペルがあることに加えて、モダンで使われうる厄介なパーマネント全てに対処できるというところだ。
強力なクリーチャーたちと、それよりもさらに強力なコンボが存在するモダンという世界において、このデッキのこういった特質にはとても価値がある。
僕が使ったリストはZooに有利になるように調整してあった。Kitchen Finksは、Zooと対戦した場合には生き延びるために最も優れているカードだと言えるけど、Birthing Podのようなデッキと戦う場合には、非常に効果的なカードだとは言えない。
同じようにInquisition of Kozilekを、Zoo、Affinity、Burnなどのようなデッキと対戦する場合のメインデッキのカードとして重要視していた。でも、時としてThoughtseizeの、Birthing Pod、Scapeshift、Cryptic Commandといったカードを叩き落とせる能力が生死を分かつこともある。
Zooは今回のPro Tourでそれほど良い結果を残すことができなかったから、今後も勢力を縮小しないなんてことはないだろう。だから、Zooに対してほんの少し弱くなることと引き換えに他のデッキとの相性を改善したいと考えるプレイヤーにとっては、Kitchen FinksやInquisition of Kozilekの部分をフリースロットとして使えるかもしれないね。
Zooは依然として強力かつ人気のあるアーキタイプで、Wild Nacatlが使用可能である限り決して絶滅することはない。
このリストから始めることをお勧めするけれど、このデッキとこのフォーマットの経験を積んでいくにつれて、デッキに変更を加えることを躊躇ってはいけないよ。
では、マッチアップを一つずつ見ていこうか。僕の解説から、1つの傾向を見て取れるだろうね。クリーチャーデッキ相手には非常に有利で、それ以外のデッキに対しては、ほぼ互角。
UWR Control
Shaun McLarenはコントロール特化のUWRデッキでこの大会を制した。モダンではこの数年、WU(x)のコントロールデッキとBG(x)のミッドレンジデッキが張り合っているとされてきた。このマッチアップはほぼ互角で、有利不利はそれぞれの側のデッキ構成にかかっている。
Obliterator Rockのリストであれば、UWR側のリストにクリーチャーと火力スペルが多いほどBG側が有利となる。反対に、ゲームのコントロールとカードドローを重視する構成であるほど、UWRが有利になる。
BGにとって一番厳しいのは、Think Twice、Sphinx’s Revelation、Supreme Verdictを採用した純正UWデッキだろうね。Shaun McLarenのリストであれば、クリーチャーをコントロールするためのカードが火力スペルに偏っているから、僕はObliterator Rockが若干有利だと思う。
サイドボード
In:1 Thrun, the Last Troll、1 Sword of Light and Shadow、3 Fulminator Mage、2 Thoughtseize
Out:2 Abrupt Decay、1 Marsh Flats、1 Phyrexian Obliterator、1 Scavenging Ooze、2 Kitchen Finks
モダンは驚きに満ちている。1つのアーキタイプに限ってさえ、6つほどの異なったデッキ構築があり、それらのデッキだけでも非常に多くのフリースロットが存在している。
相手がどんなカードをプレイしてくるのか、正確に予期することなんてできないんだ。だから、対戦中に得た情報を総動員してサイドボーディングを調整することが重要になる。
例えば、基本的にAbrupt DecayはUWRに対して役に立たないけれど、Threads of DisloyaltyやSword of Feast and Famineをプレイされた時のための保険として、1枚はAbrupt Decayを残しておく。こういったカードを見た場合には、3ゲーム目は全てのAbrupt Decayをデッキに戻すことになるだろうね。
対戦相手が複数枚のBaneslayer Angelをデッキに入れているなら、Deathmarkの出番になるだろう。相手の使う除去スペルが複数のSupreme VerdictやWrath of Godなら、Kitchen Finksが効果的なクロックになるかもしれない。柔軟なサイドボーディングが重要なんだ。
Thoughtseizeは、コントロールデッキに対しては何も考えずに投入して良い。Thrun, the Last TrollとSword of Light and Shadowはクロックを多様化させることができ、ゲーム中盤から後半にかけて効果的に対戦相手を追い詰めることができる。
最も解説を要するのがFulminator Mageだろうね。このカードはUrzatronやScapeshiftに対してのヘイトカードだと見るのが当たり前だけど、このカードにスロットが割かれる本当の理由は、このカードの持つ柔軟性にある。
メインデッキに不要カードが生じてしまうようなマッチアップならどんなデッキが相手でも、それらの不要カードを控えのFulminator Mageと交代させれば良い。僕ならUW Controllデッキとの対戦からFaeriesやAffinityとの対戦まで、Fulminator Mageを入れるね。
忘れちゃいけないのが、Abrupt DecayやMaelstrom PulseではCelestial Colonnadeに対処できないということで、だからFulminator Mageはこのマッチアップにおいてはさらに重要な役割を果たすことになるんだ。
UW Control相手には、2つの理由から土地を1枚減らすことを勧めるよ。
1つ目の理由は、ゲームが長引いてトップデッキ勝負になるということ。序盤に必要なマナを揃えるための時間がある一方で、終盤にマナフラッドしてしまうのは致命的だ。
2つ目の理由は、こちらのデッキのクリーチャーが強力なために、相手は序盤にPath to Exileをプレイする必要があって、こちらのマナを揃える手助けをしてくれるからだ。
McLarenの優勝により、このあと1・2ヶ月はUWRの人気が増すだろうね。デッキにかなり思い切った変更を加えることで、BG RockデッキはUWRデッキに対して非常に有利なデッキに仕上げることができる。
UW(x)のコントロールデッキに勝つことを最優先とするなら、メインデッキに数枚のTectonic Edgeを加えて、さらにPyrexian Obliteratorを2枚のThrun, the Last Trollと1枚のSword of Light and Shadowに代えるだろうね。他に考えられる選択肢としては、Wrench Mindや、Garruk, Primal Hunterのようなプレインズウォーカーが挙げられる。
どんな構築にするにせよ、このマッチアップは激戦になるし、注意深いプレイが最重要となる。
UWRデッキは長引いたゲームで強さを発揮するということを理解し、勝利する可能性を最大限まで高めたいのであれば、ゲーム開始時から素早い攻勢をかける必要がある。
こちら側が使う最も有効なカードは(序盤に着地するのであれば)Liliana of the Veilだ。どういったカードをディスカードし、クリーチャーランドやFlashクリーチャーからどのように守るのか、あらかじめ計画しておかなければいけない。
Scavenging Oozeで相手にSnapcaster Mageを機能させないように気を付けよう。
Birthing Pod
Pyrexian Obliteratorをデッキから抜く利点はあるけれど、このカードはBirthing Podデッキに対して重要だから、僕はお勧めしない。
Jacob WilsonがMelira Podを使ってこのPro Tourで2位になったので、Melira Podはモダンで最高のデッキの1つで有り続けるだろうし、トッププレイヤー達に最も選択されるデッキの1つで有り続けるだろうね。
サイドボード
In:2 Thoughtseize、1 Sword of Light and Shadow、2 Deathmark、2 Grafdigger’s Cage
Out:2 Kitchen Finks、3 Liliana of the Veil、2 Inquisition of Kozilek
統計的に、Obliterator Rockはこのマッチアップでは若干不利だ。実際に、Pod側がベストのドローをした場合はBG Rockが負けることになるけれど、相手がいくつかミスをした場合には勝つことができる。
僕のプランAは、相手にマナを伸ばさせないようにしながら、早めのDark Confidantでアドバンテージ差をつけるか素早くクロックをかけるというものだ。Birthing Podデッキは大量のマナで可能になる強力な動きがとても多いため、僕はこのプランが気に入っている。
Birthing PodデッキはBirthing Podを引いていなくても、強力な4マナ5マナのクリーチャーにアクセスし、非人道的なGavony Townshipと一緒に並べることができる。
不運にも相手がマナを伸ばすのを止められないゲームは往々にしてあり、そういった場合にはプランBの採用を迫られる。プランBは、相手がプレイする脅威に対処しながら、相手が何かをトップデッキする前にこちらがゲームに勝利するというもので、上手くいくことも無いわけじゃないとは言え、当然ながら信頼性はとても低い。
どちらのケースでも、素早くゲームを終わらせることが大切だね。Birthing Podデッキの頑強クリーチャーやWall of Roots、チャンプブロックするマナクリーチャーに対して、素早い決着を挑むことになる。
TarmogoyfとKitchen Finksでは時間がかかり過ぎることも多く、これが、本質的にアンブロッカブルなPhyrexian Obliteratorがとても重要な理由なんだ。
Birthing Podデッキの最も一般的な構築は2種類で、Kiki-Podの方はマナカーブが高くDark Confidantへの対処にも苦労するため、わずかながら勝ち易い相手だ。
Kiki-Podに対しては、効き目がやや薄いSword of Light and Shadowをサイドボードに残しておくので、他のPodデッキよりも若干有効性が高いLiliana of the Veilは重宝する。
Zoo
誰もトップ8に残れなかったとは言え、次にモダンの大会に参加する際に、Wild Nacatilデッキへの備えを怠るのは得策とは言えないだろうね。
多くのプレイヤーが過去に成功を収めた伝統的なアーキタイプで、他の新しいアーキタイプに馴染む時間を取れなかったプレイヤーは、このデッキに引き寄せられることになる。
今後、Knight of the ReliquaryとNoble Hierarchを使用した「Big」Zooが主流になるだろうね。でも、Tribal Flamesを使った速度の速いDomain Zooも存在し続けるだろう。
「Small」Zooに対しては序盤の防御とライフゲインに集中し、「Big」Zooに対してはクリーチャーデッキのミラーマッチで決定的な、BatterskullやSword、Phyrexian Obliteratorのようなカードに焦点を合わせるべきだ。
Obliterator Rockでは、どちらのZooに対しても同じサイドボーディングをする。
サイドボード
In:1 Sword of Light and Shadow、1 Thrun, the Last Troll、1 Kitchen Finks、2 Deathmark
Out:2 Thoughtseize、3 Dark Confidant
どちらのZooとの対戦でも、お互いに相手の序盤のクリーチャーを除去しあい、ゲームはトップデッキへと移行する。これはまさしくObliterator Rockが望むゲームプランだ。
トップデッキモードへと移行してしまえば、Treetop VillageやLiliana of the Veil、対象制限の無い除去スペル、単体でゲームを支配できるクリーチャーを擁するBG Rock側が有利になる。
BG Rock側が有利だけれど、必ずしも勝利が保障されているわけじゃない。それぞれの除去スペルを使うべきクリーチャーに対して使い、戦闘での望ましくないクリーチャー交換を避け、あらゆるカードを少しでも有効に活用することが重要になる。
TarmogoyfとScavenging Oozeを火力スペルで死なせてはいけないし、Liliana of the Veilは相手に排除される前に、-2能力でできるだけ優秀な成果を挙げるように努力する必要がある。
Splinter Twin (and Other Combo Decks)
モダンに存在するコンボデッキは多岐にわたっていて、それら1つ1つの全てに対して準備することは困難なんだ。
僕が黒の妨害スペルを好む理由の1つは、Rule of LawやRest in Peace、Torpor Orbなどのように、効果が過剰だったり相手が限定的だったりするカードを使わずに、汎用的なThoughtseizeやInquisition of Kozilekが使えることだ。
現時点でSplinter Twinが一番人気のコンボデッキで、Obliterator Rockはそれに対して十分な量の手札破壊と、除去と、除去されにくいクリーチャーの全てを有している。
サイドボード
In:2 Thoughtseize、1 Thrun, the Last Troll、3 Fulminator Mage
Out:Kitchen Finks、2 Pyrexian Obliterator、2 Scavenging Ooze
このマッチアップが、一番効果の低いカードをそれよりもましなFulminator Mageに交換するケースだね。
この種のコンボデッキはたった1体の巨大なTarmogoyfの処理に苦労するので、一度クロックを場に出してしまえば、あとはクリーチャーを追加するよりも相手の行動を妨害していく方が良い。
Splinter TwinやScapeshiftは、Batterskullなどのカードでトンランスフォームサイドボーディングしてくるプレイヤーもいるので、リスクを考慮してMaelstrom Pulseを残しておく。
Blood Moonにも気を付けないとね。
これで、BG Obliterator Rockのちょっとした入門書にはなったかな。メタゲームを絞り切れない大会で使用するモダンのデッキを探しているなら、このデッキはきっとその期待に応えるよ。
需要があれば、第二弾はGerry ThompsonのRockに関する記事を翻訳する予定。
でも、モダンプレイヤーには需要が無さそうな気がする。
Obliterator Rock at Pro Tour Born of the Gods
By Reid Duke // 27 Feb, 2014
http://www.channelfireball.com/articles/obliterator-rock-at-pro-tour-born-of-the-gods/
僕のことをご存じの方も、そうでない方もいるだろうね。僕はReid Duke、長年プロツアーに参戦していて、そして長年マジックを愛して止まないプレイヤーだ。
僕がトーナメントでちょっとした成績を収めるようになったのは、2011年のMagic Online Championshipを制してからだね。その頃から僕はずっと、今のTeam CFB:The Pantheonのメンバーなんだ。
僕がこのサイトでこうして記事を書けるのは、ChannelFireballの担当者のおかげだと思っているし、そしてそれ以上に、僕の記事を読んでくれるプレイヤーのおかげだと思っているよ。
このサイトのライター達はみんな僕の友人でもあり、ライバルでもあり、師でもあるけど、そういった面々にこうして仲間入りする機会に恵まれたことに、とても興奮しているんだ。
さて、君たちが僕の同類だとしたら、こんな話よりも禁止改定後のモダンフォーマットについての記事に期待してこの記事を開いたんだろうね。
悪いニュースから。モダンには最高のデッキだと言い切れるデッキは存在しない。次に良いニュースを。自分にとって一番使い易いデッキを選んで、個々のカードやサイドボーディング、様々なマッチアップについて学習に励むなら、成功のチャンスを掴むことができる!
では、Pro Tour Born of the Godsで僕が自分で使うのに一番適しているだろうと考えたデッキを紹介しよう。
Obliterator Rock(42位)
4xTreetop Village
1xForest
4xSwamp
2xOvergrown Tomb
4xVerdant Catacombs
2xMarsh Flats
4xTwilight Mire
2xUrborg, Tomb of Yawgmoth
1xWoodland Cemetery
4xTarmogoyf
4xDark Confidant
4xScavenging Ooze
2xKitchen Finks
4xPhyrexian Obliterator
4xInquisition of Kozilek
2xThoughtseize
2xSlaughter Pact
3xAbrupt Decay
1xVictim of Night
2xMaelstrom Pulse
4xLiliana of the Veil
-----Sideboard-----
3xCreeping Corrosion
3xFulminator Mage
2xThoughtseize
2xGrafdigger’s Cage
2xDeathmark
1xKitchen Finks
1xThrun, the Last Troll
1xSword of Light and Shadow
良くあることだけど、The Pantheonのメンバーはこの大会で使うデッキを1つに絞り切れなかった。(これは、モダンというフォーマットの性質によるもので、The Pantheonというチームの性質には関係ないと思っているよ)
Obliterator Rockを使ったのは僕とMatt Costaだけだったけど、このデッキは十分なパフォーマンスを発揮してくれた。構築でMattは8-2、僕は7-2から最終ラウンドをIDした。
このデッキの良いところは、必要十分な枚数の手札破壊スペルがあることに加えて、モダンで使われうる厄介なパーマネント全てに対処できるというところだ。
強力なクリーチャーたちと、それよりもさらに強力なコンボが存在するモダンという世界において、このデッキのこういった特質にはとても価値がある。
僕が使ったリストはZooに有利になるように調整してあった。Kitchen Finksは、Zooと対戦した場合には生き延びるために最も優れているカードだと言えるけど、Birthing Podのようなデッキと戦う場合には、非常に効果的なカードだとは言えない。
同じようにInquisition of Kozilekを、Zoo、Affinity、Burnなどのようなデッキと対戦する場合のメインデッキのカードとして重要視していた。でも、時としてThoughtseizeの、Birthing Pod、Scapeshift、Cryptic Commandといったカードを叩き落とせる能力が生死を分かつこともある。
Zooは今回のPro Tourでそれほど良い結果を残すことができなかったから、今後も勢力を縮小しないなんてことはないだろう。だから、Zooに対してほんの少し弱くなることと引き換えに他のデッキとの相性を改善したいと考えるプレイヤーにとっては、Kitchen FinksやInquisition of Kozilekの部分をフリースロットとして使えるかもしれないね。
Zooは依然として強力かつ人気のあるアーキタイプで、Wild Nacatlが使用可能である限り決して絶滅することはない。
このリストから始めることをお勧めするけれど、このデッキとこのフォーマットの経験を積んでいくにつれて、デッキに変更を加えることを躊躇ってはいけないよ。
では、マッチアップを一つずつ見ていこうか。僕の解説から、1つの傾向を見て取れるだろうね。クリーチャーデッキ相手には非常に有利で、それ以外のデッキに対しては、ほぼ互角。
UWR Control
Shaun McLarenはコントロール特化のUWRデッキでこの大会を制した。モダンではこの数年、WU(x)のコントロールデッキとBG(x)のミッドレンジデッキが張り合っているとされてきた。このマッチアップはほぼ互角で、有利不利はそれぞれの側のデッキ構成にかかっている。
Obliterator Rockのリストであれば、UWR側のリストにクリーチャーと火力スペルが多いほどBG側が有利となる。反対に、ゲームのコントロールとカードドローを重視する構成であるほど、UWRが有利になる。
BGにとって一番厳しいのは、Think Twice、Sphinx’s Revelation、Supreme Verdictを採用した純正UWデッキだろうね。Shaun McLarenのリストであれば、クリーチャーをコントロールするためのカードが火力スペルに偏っているから、僕はObliterator Rockが若干有利だと思う。
サイドボード
In:1 Thrun, the Last Troll、1 Sword of Light and Shadow、3 Fulminator Mage、2 Thoughtseize
Out:2 Abrupt Decay、1 Marsh Flats、1 Phyrexian Obliterator、1 Scavenging Ooze、2 Kitchen Finks
モダンは驚きに満ちている。1つのアーキタイプに限ってさえ、6つほどの異なったデッキ構築があり、それらのデッキだけでも非常に多くのフリースロットが存在している。
相手がどんなカードをプレイしてくるのか、正確に予期することなんてできないんだ。だから、対戦中に得た情報を総動員してサイドボーディングを調整することが重要になる。
例えば、基本的にAbrupt DecayはUWRに対して役に立たないけれど、Threads of DisloyaltyやSword of Feast and Famineをプレイされた時のための保険として、1枚はAbrupt Decayを残しておく。こういったカードを見た場合には、3ゲーム目は全てのAbrupt Decayをデッキに戻すことになるだろうね。
対戦相手が複数枚のBaneslayer Angelをデッキに入れているなら、Deathmarkの出番になるだろう。相手の使う除去スペルが複数のSupreme VerdictやWrath of Godなら、Kitchen Finksが効果的なクロックになるかもしれない。柔軟なサイドボーディングが重要なんだ。
Thoughtseizeは、コントロールデッキに対しては何も考えずに投入して良い。Thrun, the Last TrollとSword of Light and Shadowはクロックを多様化させることができ、ゲーム中盤から後半にかけて効果的に対戦相手を追い詰めることができる。
最も解説を要するのがFulminator Mageだろうね。このカードはUrzatronやScapeshiftに対してのヘイトカードだと見るのが当たり前だけど、このカードにスロットが割かれる本当の理由は、このカードの持つ柔軟性にある。
メインデッキに不要カードが生じてしまうようなマッチアップならどんなデッキが相手でも、それらの不要カードを控えのFulminator Mageと交代させれば良い。僕ならUW Controllデッキとの対戦からFaeriesやAffinityとの対戦まで、Fulminator Mageを入れるね。
忘れちゃいけないのが、Abrupt DecayやMaelstrom PulseではCelestial Colonnadeに対処できないということで、だからFulminator Mageはこのマッチアップにおいてはさらに重要な役割を果たすことになるんだ。
UW Control相手には、2つの理由から土地を1枚減らすことを勧めるよ。
1つ目の理由は、ゲームが長引いてトップデッキ勝負になるということ。序盤に必要なマナを揃えるための時間がある一方で、終盤にマナフラッドしてしまうのは致命的だ。
2つ目の理由は、こちらのデッキのクリーチャーが強力なために、相手は序盤にPath to Exileをプレイする必要があって、こちらのマナを揃える手助けをしてくれるからだ。
McLarenの優勝により、このあと1・2ヶ月はUWRの人気が増すだろうね。デッキにかなり思い切った変更を加えることで、BG RockデッキはUWRデッキに対して非常に有利なデッキに仕上げることができる。
UW(x)のコントロールデッキに勝つことを最優先とするなら、メインデッキに数枚のTectonic Edgeを加えて、さらにPyrexian Obliteratorを2枚のThrun, the Last Trollと1枚のSword of Light and Shadowに代えるだろうね。他に考えられる選択肢としては、Wrench Mindや、Garruk, Primal Hunterのようなプレインズウォーカーが挙げられる。
どんな構築にするにせよ、このマッチアップは激戦になるし、注意深いプレイが最重要となる。
UWRデッキは長引いたゲームで強さを発揮するということを理解し、勝利する可能性を最大限まで高めたいのであれば、ゲーム開始時から素早い攻勢をかける必要がある。
こちら側が使う最も有効なカードは(序盤に着地するのであれば)Liliana of the Veilだ。どういったカードをディスカードし、クリーチャーランドやFlashクリーチャーからどのように守るのか、あらかじめ計画しておかなければいけない。
Scavenging Oozeで相手にSnapcaster Mageを機能させないように気を付けよう。
Birthing Pod
Pyrexian Obliteratorをデッキから抜く利点はあるけれど、このカードはBirthing Podデッキに対して重要だから、僕はお勧めしない。
Jacob WilsonがMelira Podを使ってこのPro Tourで2位になったので、Melira Podはモダンで最高のデッキの1つで有り続けるだろうし、トッププレイヤー達に最も選択されるデッキの1つで有り続けるだろうね。
サイドボード
In:2 Thoughtseize、1 Sword of Light and Shadow、2 Deathmark、2 Grafdigger’s Cage
Out:2 Kitchen Finks、3 Liliana of the Veil、2 Inquisition of Kozilek
統計的に、Obliterator Rockはこのマッチアップでは若干不利だ。実際に、Pod側がベストのドローをした場合はBG Rockが負けることになるけれど、相手がいくつかミスをした場合には勝つことができる。
僕のプランAは、相手にマナを伸ばさせないようにしながら、早めのDark Confidantでアドバンテージ差をつけるか素早くクロックをかけるというものだ。Birthing Podデッキは大量のマナで可能になる強力な動きがとても多いため、僕はこのプランが気に入っている。
Birthing PodデッキはBirthing Podを引いていなくても、強力な4マナ5マナのクリーチャーにアクセスし、非人道的なGavony Townshipと一緒に並べることができる。
不運にも相手がマナを伸ばすのを止められないゲームは往々にしてあり、そういった場合にはプランBの採用を迫られる。プランBは、相手がプレイする脅威に対処しながら、相手が何かをトップデッキする前にこちらがゲームに勝利するというもので、上手くいくことも無いわけじゃないとは言え、当然ながら信頼性はとても低い。
どちらのケースでも、素早くゲームを終わらせることが大切だね。Birthing Podデッキの頑強クリーチャーやWall of Roots、チャンプブロックするマナクリーチャーに対して、素早い決着を挑むことになる。
TarmogoyfとKitchen Finksでは時間がかかり過ぎることも多く、これが、本質的にアンブロッカブルなPhyrexian Obliteratorがとても重要な理由なんだ。
Birthing Podデッキの最も一般的な構築は2種類で、Kiki-Podの方はマナカーブが高くDark Confidantへの対処にも苦労するため、わずかながら勝ち易い相手だ。
Kiki-Podに対しては、効き目がやや薄いSword of Light and Shadowをサイドボードに残しておくので、他のPodデッキよりも若干有効性が高いLiliana of the Veilは重宝する。
Zoo
誰もトップ8に残れなかったとは言え、次にモダンの大会に参加する際に、Wild Nacatilデッキへの備えを怠るのは得策とは言えないだろうね。
多くのプレイヤーが過去に成功を収めた伝統的なアーキタイプで、他の新しいアーキタイプに馴染む時間を取れなかったプレイヤーは、このデッキに引き寄せられることになる。
今後、Knight of the ReliquaryとNoble Hierarchを使用した「Big」Zooが主流になるだろうね。でも、Tribal Flamesを使った速度の速いDomain Zooも存在し続けるだろう。
「Small」Zooに対しては序盤の防御とライフゲインに集中し、「Big」Zooに対してはクリーチャーデッキのミラーマッチで決定的な、BatterskullやSword、Phyrexian Obliteratorのようなカードに焦点を合わせるべきだ。
Obliterator Rockでは、どちらのZooに対しても同じサイドボーディングをする。
サイドボード
In:1 Sword of Light and Shadow、1 Thrun, the Last Troll、1 Kitchen Finks、2 Deathmark
Out:2 Thoughtseize、3 Dark Confidant
どちらのZooとの対戦でも、お互いに相手の序盤のクリーチャーを除去しあい、ゲームはトップデッキへと移行する。これはまさしくObliterator Rockが望むゲームプランだ。
トップデッキモードへと移行してしまえば、Treetop VillageやLiliana of the Veil、対象制限の無い除去スペル、単体でゲームを支配できるクリーチャーを擁するBG Rock側が有利になる。
BG Rock側が有利だけれど、必ずしも勝利が保障されているわけじゃない。それぞれの除去スペルを使うべきクリーチャーに対して使い、戦闘での望ましくないクリーチャー交換を避け、あらゆるカードを少しでも有効に活用することが重要になる。
TarmogoyfとScavenging Oozeを火力スペルで死なせてはいけないし、Liliana of the Veilは相手に排除される前に、-2能力でできるだけ優秀な成果を挙げるように努力する必要がある。
Splinter Twin (and Other Combo Decks)
モダンに存在するコンボデッキは多岐にわたっていて、それら1つ1つの全てに対して準備することは困難なんだ。
僕が黒の妨害スペルを好む理由の1つは、Rule of LawやRest in Peace、Torpor Orbなどのように、効果が過剰だったり相手が限定的だったりするカードを使わずに、汎用的なThoughtseizeやInquisition of Kozilekが使えることだ。
現時点でSplinter Twinが一番人気のコンボデッキで、Obliterator Rockはそれに対して十分な量の手札破壊と、除去と、除去されにくいクリーチャーの全てを有している。
サイドボード
In:2 Thoughtseize、1 Thrun, the Last Troll、3 Fulminator Mage
Out:Kitchen Finks、2 Pyrexian Obliterator、2 Scavenging Ooze
このマッチアップが、一番効果の低いカードをそれよりもましなFulminator Mageに交換するケースだね。
この種のコンボデッキはたった1体の巨大なTarmogoyfの処理に苦労するので、一度クロックを場に出してしまえば、あとはクリーチャーを追加するよりも相手の行動を妨害していく方が良い。
Splinter TwinやScapeshiftは、Batterskullなどのカードでトンランスフォームサイドボーディングしてくるプレイヤーもいるので、リスクを考慮してMaelstrom Pulseを残しておく。
Blood Moonにも気を付けないとね。
これで、BG Obliterator Rockのちょっとした入門書にはなったかな。メタゲームを絞り切れない大会で使用するモダンのデッキを探しているなら、このデッキはきっとその期待に応えるよ。
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